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川島町が誇る農福連携の立役者「芹澤農園」芹澤 健さん

 

川島町で活躍する青年農業家、芹澤農園の代表である芹澤健さんをご紹介します。

 なぜ私が芹澤さんにお会いしたいと思ったか、一番の理由は、障がい者を雇い「農福連携」を実践されているからです。私自身が福祉従事者で、就労支援に携わっていた経緯もあり興味関心がありました。

 「芹澤さんに任せたら大丈夫!」と地主さんが話していた事をお手伝いされていた方が教えてくれましたが、農福連携としても言わせて下さい。芹澤さんに任せたら大丈夫!!

 きっと一緒に作業させてもらうことで感じることがあるに違いない!とボランティアさせていただきながら密着取材してきました。

 

 

なぜ川島町で農福連携を?

 

元特別支援学校教諭の芹澤さん。保健体育の教師を志望していたそうですが、偶然配属されたのが特別支援学校だったとのこと。特別支援学校では、生徒一人ひとりに合わせた個別教育をされていて、「ないなら自分でつくる。それが面白しろかったですね。」「これこそ教育だ!と思いました。」と生き生きと語る芹澤さん。

そこから就農へのきっかけは、ちょうど農園芸を行う班活動の担当をしていたところ、校内では落ち着かない生徒が、外での作業では落ち着いて活動ができたそう。同時に、高校を卒業する生徒の就職先として、ご本人にあう場所がなかなか見つからなく「ないならつくろう!」と農業への道を決意。生徒のためにここまでできる芹澤さんに感銘を受けました。

これまた偶然、川島町のTOA農園 代表間仲さんとご縁ができたことから、川島町で就農した訳ですが。ここで終わらないのが芹澤さん!

 

 

愛情あふれる農福連携の革命!

 

実際に知的障がい者を雇ってからは、教諭時代を活かしてどうしたら働きやすくなるかを試行錯誤していきながら、ご本人の自立についても考えていました。どうしたらご本人が人並みのお給料を得ながら生活できるか、単にお給料アップする仕組みだけではなく、ご本人の能力にあわせ“半自立営農”への構築が既に始まっています。

 

「ここはもう彼に任せています!」と芹澤さん。取材が終わると笑顔で別の離れた農地へ移動されました。私はその後も作業させていただきましたが、確かに芹澤さんがいなくとも、周囲に指示を伝え、次の段取りへ移り、頼もしい姿がありました。

雇用して2年ちょっとだそうですが、障がい者雇用としてではなく、一人の人間として対等にみていらっしゃる様子が伝わってきました。芹澤さんが一方的に信頼しているだけではなく、安心して信頼できる芹澤さんがいるからこそ、ご本人が能力を発揮されているのだと思います。将来的には、親亡き後も自立していけるよう住む場所も整えていきたいとのこと。

ご自分の農園だけにとどまらず、農福連携への提案として、第28回埼玉県青年農業者研究大会にて最優秀賞を受賞された内容を教えていただきましたが、働く人・農業・企業それぞれが孤立せず、また、内輪だけのものとならず、互いに尊重し合い高め合いながら、社会へと発信し続ける仕組みとなっていると思いました。

win-win-winな関係づくり」としてお話して下さいましたが、現実的な目の前の経営も意識しながら、自分ごとのように、当事者や保護者、農業従事者など多岐にわたり、いかに互いが気持ちよく循環していけるかを自然に模索されている様子がうかがえ、芹澤さんの人への愛情の深さにも触れられた気がします。

 

  

 

農業家としての芹澤さん

 

福祉視線での芹澤さんをご紹介してきましたが、農業家としての芹澤さんの一面もご紹介させて下さい。

私は、芹澤さんにお会いしたい理由がもう一つありました。実は私、ある時からビーツの虜になりまして。そのビーツを地元で生産している人がいると知り興奮せずにはいられませんでした。

 

なぜ日本ではメジャーではないビーツを?と思いましたが、そこは意外とシンプルで、「ビーツつくれる?と依頼があったから」だそう。でもここからが芹澤さんらしく、持ち前のやってみよう!精神から取り組んでみたところうまくいったとのこと。

他の作物についてもInstagram投稿から、日々、例えばマルチが剥がれたなど一見ネガティブに捉えがちな場面でも、「実験できるチャンスだ!」と前向きに取り組まれている様子があります。取材中にあった「やりながら考える」について、日常で楽しんでいらっしゃるのが伝わってきます。

 

 *     *     *

 

取材当日、広い農地で人参の掘り起こし作業をさせてもらいましたが、土や作物に触れていると“今ここ”に集中でき、面白い人参が出てくるとクスッと笑えたりして、気持ちが落ち着きました。芹澤さんはこれについて「アグリセラピーと言っています」とのことですが、皆さんもぜひ芹澤農園で農業体験をしてみて下さい。ここにはユーモアな芹澤さんと、あたたかい従業員の皆さんが待っています。そこも含めて私は芹澤農園流アグリセラピーだと体験しました。(アグリセラピー:自然と関わることで、体や心を整えていくこと)

 

芹澤さん、教師になることは第二希望で、一番なりたかったのは社長だったのだとか。巡り巡って、才能が開花されてきたように思います。そして、ここ川島町で、まだまだ農福連携の革命を起こしてくれると確信しています。芹澤さんの今後の飛躍に乞うご期待です!

 

 

  • 芹澤農園

Instagramhttps://www.instagram.com/serizawanouen2017/?utm_source=ig_embed&ig_rid=ec6ef863-bd84-464d-9bf2-d2ee680ce57d

・かわじま百貨店オンラインショップ:https://kawajima-dept.com/collections/food

「えっ?にんじんジュース」

「埼玉クラフトコーラ1/63 ビーツフレーバー」

  

 

川島町地域ライター 笛木由美